日本アクションラーニング協会
         
         
 
 

NPO法人日本アクションラーニング協会 設立記念カンファレンス レポート
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去る2007年1月25日(木)、NPO法人日本アクションラーニング協会の設立を記念してカンファレンスとパーティーを開催致しました。

カンファレンスの第一部には、協会代表の清宮が、「個人能力の開発からチーム能力の開発へ」をテーマとした講演を行いました。まず始めに、協会の設立趣旨を始め、前身GIALジャパンの活動、仕事をしながらリーダーやチームの育成を行うマーコードメソッドのアクションラーニング(AL)を簡単に紹介させていただきました。

日本アクションラーニング協会 代表 清宮普美代
「個人能力の開発からチーム能力の開発へ」

数あるALの効果の中でも、企業の興味・関心は自律型チームの育成に集中する傾向があります。自律型チームとは、チーム全体で問題を捉え対処していくことが出来るチームです。こういったチームを望む背景には、現実的に考えない組織の蔓延、疲弊した個人と組織が抱えるメンタルヘルス問題、昨今の成果主義による育成型リーダーの欠如、といった全体的な現場(職場)力の低下が考えられます。

こういった現状を打破するにはグッドチームを構築するグッドリーダーの育成が不可欠です。換言すると、ALコーチのスキル−チーム活動のファシリテーション−は、どの「現場」にも必須のスキルといえます。ALコーチとは、その場限りの個人スキルの向上を目的としたものではなく、チームレベルでのモチベーションの向上につなげるためのファシリテーションを行います。
また、各メンバーの主体的な「思い」の共有化を促し、業務や理念をチームとして見る力を備え、それをメンバーにも伝播していきます。
ALでは、個人ではなくチームとしての振り返り(リフレクション)力を高めることで、チーム脳を育て、チームとして成果をあげることに焦点が当てられています。

我々が推奨する米国ALの権威、マイケル.J.マーコード教授のメソッドによるアクションラーニングは、平易で実施しやすい点が特徴にあげられます。実施しやすいメソッドであるからこそ、自社の人材育成を外部任せにしないリーダーの育成が可能になるのです。

PHOTO第二部は、協会公認のシニアALコーチ養成講座を受講中のお三方をお迎えして、その可能性についてパネルディスカッションを行いました。シニアALコーチとは、ビジネスフィールドでの活用を視野に入れながら、ALプログラム開発、設計を行えるスキルを有するコーチです。はじめに自己紹介を兼ねたAL活用事例を各10分程度でご紹介いただきました。

最初の発表者は、株式会社レアリゼの代表 眞田茂人さん。AL導入前に不適切なメンタルモデルである抑止力を解凍する「選択理論」を中心にご説明いただきました。また、短期間で一気に社員が15倍に増えた人材総合サービス企業でのALを活用した『理念浸透プログラム」』事例につづき、その成果ビデオも放映されました。

次に、エニアグラムの株式会社ヒューマックス代表木村孝さん。個人・チームの成長を中心にチームワーク、組織改革について、会場の参加者への問いかけとともに進行されました。

最後に、株式会社富士ゼロックス総合研究所のシニアコンサルタント 渡邊 壽美子さんにALを活用した変革リーダー育成プログラム、研修フォローとしてのALをご紹介いただきました。

シニアALコーチのパネルディスカッション
「アクションラーニングの可能性」

「そもそもアクションラーニングの講座に参加されたきっかけは?」

眞田) 従来型の研修では、その場限りの成果のみで研修の限界を感じられるものが多かったが、ALは組織に「学習」の概念をとりいれ、継続性を重要視しているため、研修効果の定着と大きな効果を生み出すことに期待がもてたためです。

木村) リーダーシップ開発や人間としての成長を第一に考えたとき、現実と向き合って「学習」をするALと出会って、メンバーが真剣に学ぶプロセスをみたときに意識の転換が出来ました。

渡邊) グローバル人材の育成をテーマに論文を執筆する機会がありました。そのときに、様々な書籍で「アクションラーニング」を目にし、1/10のエネルギーで10倍の効果を有する、という記述がありました。また、人材育成の研修を行う中で、コンテンツを用意して提供するだけではなく、ALで問題意識を植付けてコンテンツを提供したほうが研修効果がたかくお客様のニーズにあうものが提供できるのではないか、と思ったことがきっかけです。


「ALの効果を実感されたご経験は?」

眞田) 企業体質の改善やビジネスモデルの転換、風土変革に有用なメソッドだと思います。

木村) メンバー全体を巻き込み、皆が業務上の問題について考えるようになります。ALセッションで交わされる質問は、ジャッジされることによる弊害を取り除き、その問題についてともに考える姿勢が身につきます。ALは、仕事を通して成長していく実感を得ることのできる手法だと思います。


「シニアALコーチ養成講座(SALC)を受講されて何か変化は?」

眞田) SALC内でマーコード教授による特別講義を受ける機会があったのですが、そのときに先生が「セッション中は、相手に自信を持たせる質問をしなさい」という言葉がありました。選択理論でいうところの「内的コントロール」の実践者であることが伝わり感銘をうけました。

渡邊) 私もマーコード教授の熱意に満ち溢れた講義は印象的でした。AL講座で学習したことを自社のリーダーシップ開発に活かす点、営業活動などいろいろと考えをめぐらしている時期でしたが、先生の「何事も完全な失敗はない」という言葉は、仕事のみならず人生の上でも意味深いものでした。

木村) SALCを受講するにつれ、ALは学習の過程をコンサルテーションできる手法であることを改めて感じました。また、何よりも講座に集まる人材が面白い。いいチームで互いに学びあう姿勢が講座内でも実践されています。

会場からも質問をお受けいたしました

会場) 眞田さんへ。外的コントロールに支配されている人が多いとのことでしたが、現実には、外的と内的コントロールの両方に支配されていることが多いのでは?

眞田) 外的コントロールに支配されている人のほうが多いと思います。ALをはじめて気付きがあり、内的コントロールのプロセスに移行する人がたくさんいます。


会場) コーチングとファシリテーションの違いは?

清宮) 広義にとれば、ALコーチも「場」を維持することをファシリテートする、といった点ではファシリテーションスキルの一部です。しかし、チームの成長がファシリテーターのスキルに依存してしまうのに対して、ALコーチは自分が抜けた後にも自律的に動くチームを作ることを目的としています。


会場) 木村さんへ。エニアグラムとALの組み合わせに興味を持ちました。なぜ、エニアグラムだったのですか?

木村) エニアグラムとは、性格タイプ論だけではありません。「とらわれ」に気付いてどうしたら成長するのか?ということを示す手法でもあります。自分の人生の課題とぶつかっていく点でエニアグラムは有用です。


会場) 変わらなくてもいい、と思っているトップからALプログラム導入の決裁をもらうためには?

眞田) 導入前に「変わる」ことをいわずとも、全体としての成果やゴールイメージを伝えることが重要です。

司会) 決裁者にどういった問題意識を感じているか、問うことも必要ですね。トップ層にコミットメントをもたせることが経営のコミットメントに繋がります。

渡邊) AL導入後の話ですが、ある時期にALセッションのメンバーからトップへ直筆の手紙を書いてもらったことがありました。こういったことからも、トップの変革に対するコミットメントは強くなったと感じます。