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イベント&ニュース

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2017年10月18日、日本アクションラーニング協会年次カンファレンス2017が開催されました。今回会場となったのは、東京大学 情報学環・福武ホール 福武ラーニングシアター。社会との対話から学び、新しい研究を創造していく場として、武總一郎氏による寄附に基づき、安藤忠雄氏の設計によって建築された建物です。
今年のテーマは、「リーダーシップ×脳科学×アクションラーニング(AL)」。昨今のトレンドでもある脳科学とALの関係を考え、これまでとは違った角度から、アクションラーニングの有用性と新たな可能性について考える機会になればという想いから設定されました。

今年のプログラムでは、はじめに基調講演として、国際アクションラーニング機構(WIAL)代表のマイケル J マーコード教授が登壇し、脳神経科学とALとの関係について講演しました。今日、社会は複雑化しています。それに伴って私たちの脳は社会的な脅威に対して防御反応システムを活性化させてしまっており、それが原因で、記憶や学習、問題解決力が損なわれたり、効率性や生産性が低下してしまったりするという問題が起きています。そして、脳が感じる脅威を最小化するため提唱されているのがSCARFモデルです。

SCARFモデルとは、脳が認識する潜在的な脅威や機会の5つの要素、すなわち「Status(ステータス)」「Centainty(確実性)」「Autonomy(自律性)」「Relatedness(関係性)」「Fairness(平等性)」をまとめたもので、これらの要素が損なわれないようにコミュニケーションを行なうことが重要とされています。ALは「階級のフラット化」「曖昧さの減少」「自律的な解決策の思案」「質問による関係性の構築」「平等性の支援」によってSCARFモデルが提唱する5つの要素を満たしており、それによって、報酬系の働きを活性化させ、その結果、学習や問題解決能力を促進させます。リーダーシップ開発として長年親しまれてきたALですが、脳神経外科の原則を理解し、適用することで更なるパワーも持つ可能性を感じられる内容に、参加者は興味深く聞き入っていました。

続いて、面白法人カヤック 代表取締役 柳澤 大輔氏、アンビショナーズ・ラボ共同代表/鎌倉マインドフルネス・ラボ代表 宍戸 幹央氏、日本アクションラーニング協会代表 清宮 普美代 によるパネルディスカッションが行われました。テーマは「創造性を向上させるカギ:カヤック流ブレスト×アクションラーニング」。まず、柳澤様より、「面白法人カヤック/カマコン流ブレストとは?」という演目でご講演いただいたのち、宍戸さま、清宮を交え、ディスカッションを行いました。カヤックでは、ものづくりや街づくりなどにおいて、主体性を持った人が増えれば増えるほど人も社会も面白くなると考えています。なぜなら、主体性をもつことで、自分がそれに関わっているという実感を持つことが出来、それが「好き」や「楽しい」の気持ちをより強くするからです。そのような人材を増やす一環としてカヤックが行っているのが「ブレーンストーミング(ブレスト)」です。ブレストはアイデアの発散を目的としたもので、仲間のアイデアを否定せずに、とにかくたくさんの数を出すことで、更に創造的なアイデアを生み出すことを目的としています。ブレストには、「チームワークが良くなる」「自分では考えも及ばないアイデアが出る」といった効能があります。とにかく自分の意見を出す「ブレスト」と質問にのみ答える「アクションラーニング」、一見全く別のものに見える2つですが、効能として類似する部分も多々あることに、参加者そして講演者も関心を示していました。

最後に「若年層にみるリーダーシップ開発とアクションラーニング~大学教育現場からのレポート~ 立教大学、早稲田大学、京都教育大学 認定学生ALコーチの活躍」との演目で、早稲田大学 教授 日向野 幹也氏、立教大学 特任准教授 鄭 秀娟氏より、各大学における学生ALコーチの養成について、お話し頂きました。あらかじめ用意いただいた資料の講演のほかに、UMUというツールを使い、その場で会場にいる参加者からの質問をいただき、それをスクリーンに表示・共有しながら、日向野氏、鄭氏、そして来場していた各大学の学生ALコーチもその内容について回答するなど、インタラクティブなコミュニケーションも展開されました。講演と併せて、今年度学生ALコーチに認定された学生の表彰式も執り行われました。WIAL代表のマイケル J マーコード教授から直接認定証を受け取るという貴重な体験に、学生ALコーチたちはやや緊張した面持ちで臨んでいました。学生ALコーチは在学中限定の資格とはなりますが、企業で行われるセッションへの派遣件数も増えており、今後の活躍がますます期待されています。
脳科学とALの関係性に注目して開催された2017年度の年次カンファレンスですが、「非常に興味深い内容だった 」「新たなアクションラーニングの魅力に気づけた 」という感想を頂いており、参加者にとっても充実した内容となったようでした。

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