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アクションラーニングコーチの横顔

アクションラーニングコーチの横顔

Vol.1 オーセンティックワークス株式会社 代表 中土井僚さん

オーセンティックワークス株式会社 代表取締役
社団法人プレゼンシングインスティチュートコミュニティジャパン理事
特定非営利活動法人 日本紛争予防センター理事
フリュー株式会社 社外取締役
一般社団法人関係性開発協会顧問

中土井 僚

広島県呉市出身。同志社大学法学部政治学科卒
リーダーシップ・プロデューサー。「自分らしさとリーダーシップの統合と、共創造(コ・クリエイション)の実現」をテーマに、U理論をベースとしたマインドセット転換によるその人にあったあり方(Being)のシフトと影響力の飛躍的な拡大の支援を行う。コーチング、グループファシリテーション、ワークショップリードなどの個人・チーム・組織の変容の手法を組み合わせることにより、クライアントのリーダーとしての拡大を支援するのはもちろんのこと、そのリーダーが実際に携わっているチーム・コミュニティ・組織の変容や進化も共に手掛けている。リーダーとの協働作業による共創造(コ・クリエイション)を実現しながら、場にターニングポイントをもたらし、人と組織の永続的な行動変容を生み出し続けている過去に手掛けた組織変革プロジェクトは、業績低迷と風土悪化の悪循環が続いていた化粧品メーカーのV字回復や、製造と販売が対立していた衣類メーカーの納期短縮など100社以上に及ぶ。

ALC取得時期:2005年

 

ALC取得後はALが使いにくいと思っていた

アクションラーニング(以下AL)のセッションはとてもパワフルだと思っています。ALを勉強してからかなりの年月が経過しましたが、最近またALセッションをコンサルティングの中で使うようになりました。アクションラーニングコーチ(以下ALC)資格取得当時はコントロール思考がとても強かったので、参加者を思うとおりに矯正したかったし、他人のせいばかりにしている人たちを成敗したいくらいの気持ちでセッションに臨んでいました(笑)。「まだ再定義できてないのか」くらいに思っていたので、セッション中の表情もすごく怖かったんじゃないかなと思います(笑)。参加者が上手く質問が出来ずフラストレーションが高くなりやすいやり方はやりたくないなと思っていた時期もありました。
しかし、今は以前よりも問題を抱えている人たちに寄り添う気持ちでセッションに参加できるようになり、ALCとしての自分のあり方が変化したことで、ALが使いやすくなったと感じます。緊急かつ重要な問題を、勇気を持って提示してくださるのもシンプルに素晴らしいと思えますし、その問題提示者がその問題によって生じるフラストレーションで苦しんでいるということも想像できるようになりました。その結果、問題から逃げずに立ち向かっている人の力になれればという素直な気持ちでセッションに向き合えるようになりました。

 

ALの本質は質問力と内省力の向上

セッションではフラストレーションが溜まったことが何度もあります。なぜかというと、メンバーの質問レベルが低いと質問がすべて尋問、詰問に成ってしまうからです。限られた回数・時間の中で最大限効果を発揮することが望まれているコンサルティングという業務の中で、質問者のパフォーマンスによってセッションの結果が変わってしまうことがあるので、ALが少し扱いにくいと感じていました。
質問者の質問力は、その会社の組織力を如実に表しているなと良く思います。たとえば、大手企業の役員レベルの方々の対話の場においては、出てきた問題が5−10年ずっと抱えているものであるということも少なくありません。同じ問題を抱え続けているというとは内省力に欠けるということです。内省力がないと、無自覚に同じ失敗を繰り返してしまいますし、それが組織の中で起こると組織力を弱めてしまう原因にもなります。
内省力を高めるには質問力を上げることが必要ですし、質問力を上げるには内省力を高める必要があります。両者は相互関係にありますので、自分がALCの役割ながら質問者としても加わり、質問力を上げることによって、参加者のパフォーマンスを上げ、自分もシステムの一部と感じてもらえるよう、短い時間で効果を上げられるよう、努めたりする場合もあります。
セッションの本質は質問力や内省力を高めることですが、フラストレーションのたまるセッションだと、その本質に近づくことはできません。内省力・質問力が上がらないと、組織力が上がらないという認識がもっと一般化していけば、セッションの中で起こるフラストレーションが必然のもので、質問力や内省力が鍛えられている瞬間だとだとわかってもらえると思うんです。内省力と質問力の相互依存によって組織力が向上するという意識が広まらない限り、日本企業の組織力は上がらないのではないか?と考えています。

 

ALを自分の言葉で語れるようになることがポイント

ALのセッションの素晴らしい点は、これまで無自覚に他人のせいにしていたものが、自分が変わらないと問題が何も変わらないということに気がつける、当事者意識が高まる、自分ごとと捉えられるという変換が起こることだと思います。
私が行うコンサルティングの中では、セッションを初回からやることはまずありません。参加者の方が研修に参加する意味、意義を納得した上でセッションを行っています。
10年間格闘したのは、ALの効果と相手から求められる経済合理性について、どう折り合いをつけていくかです。誠実に言葉を尽くしていくほかないのですが、最近では行動探求(アクションインクアリー)の理論を用いて説明することも多いです。手法に関する説明ではなく、「なぜ、ALでなくてはならないのか?」をお話しして納得してもらうこともあります。
ALCは、人が学習するとはどういうことなのか、なぜ緊急かつ重要な問題からしか成人は学べないのかなど、人が学ぶ、成長していく原理原則をお話しした上で、自分なりにALの有効性についてもっと研究するといいと思います。『なぜこの手法なのか』ではなく『何がどのように作用して有効になりえているのか』を自分の言葉で語れれば語れるほど、ALに対する参加者の方へのハードルは下がるのではないかと思います。

 

今後の展望

自社のミーティングでもALは活用しています。ALを使うことで、職位に関係なくマネージメントは社員がいったい何を悩んでいるのか分かるし、再定義も出来る。ディスカッションの活性化を図ることもできます。
ALセッションのステップ、流れについて、自己流のやり方を開発したりもしました(笑)。人は自分の関心のあることからしか始められませんし、抽象的なことよりも具体的な悩みの方が耳を傾けやすかったりするんです。なので、この流れをもとに今もファシリテーションをするようにしています。『意識や行動はどうやって変わるのか』ということがあまりにもブラックボックスで苦労している方をたくさん見ているので、自分なりに実践していく中で見えてきたものはたくさんの方にシェアしたいと考えています。
イノベーションとリフレクションは関係性が深いという話は、もっと知られてもいいかもしないと思っています。何か、常識を広げていくという観点から、U理論とアクションラーニングの本質を考え直していく、という活動が出来ればと思っています。

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